たまには練習の話

今度の5月5日の浜離宮でのリサイタルの為に、ブラームスを徹底的に研究して練習しています。

フランスものと違い、ドイツ系のブラームスは、イッヒ!リーベ!みたいな感じで、フレーズ感がしっかりしています。

今回プログラムの1つである、ブラームスの1番ソナタ「雨の歌」。最初私がこの曲を選曲した動機は、有名な1楽章があるからでした。

しかし、特に3楽章については、実を言うと最初全く理解が出来なく好きになれませんでした。同じ(しかも魅力的でない)メロディが、ロンド形式の為に何回も出てきます。そして、1番最後の3楽章コーダの盛り上がりに欠けるのです。

しかし、プロである限り、どんな曲でも好きにならなくてはなりません。

3楽章が、どうしても音楽に入り込めなく困った私は、色々文献を読んで勉強してみました。すると、道が直ぐ開けます。

要は、ブラームスが惚れていたクララさんが、よくこのメロディを口ずさんでいた事から、頭から離れられなくなりフラッシュバックし過ぎて、ブラームス自体がこのメロディを惚れ込んでしまった。

それで、ロンド形式という何度もメロディを出せる形式を利用して、何度も何度も奏者に弾かせ、それを少し変奏曲的に発展させていった。という事を理解しました。つまり、この曲を弾きたければ、クララが大好きなブラームスの気持ちになれ!ということです。恋の歌なのです。

なるほど!と、理解してからは、喜怒哀楽を美しく表現する1楽章より、豪華な2楽章や恋する3楽章の方が、面白く演奏できて好きになりました(^^ゞ

曲の意図を理解しないで演奏しているかどうかは、一発で見抜けます。

曲がどういう過程でどんな性格の作曲家が作曲されたのか。それを知る事も、大事な練習であると思います(^^)

皆様のリサイタルご来場楽しみにお待ちしております!

最新情報をチェックしよう!