先日の浜離宮リサイタルも終わり、コンクールにより現実に戻され、本日2023年10月18日、すみだトリフォニーホールにて第33回日本クラシック音楽コンクール(通称・クラコン)の東京本選が開催され、審査員として幼稚園から中学生まで約30名の審査を担当させていただきました。クラコンスタッフの皆様、お疲れ様でした!
正直、クラコンのヴァイオリン部門で、東京本選のレベルは日本最高峰と言えます。当然ですが、他の県や会場のプログラムとの比較でもそのことは明らかです。
特に、小学生たちの演奏曲目レベルは高かったです。本日参加した子供たちは、このような高いレベルの会場で演奏できたことだけでも自慢に思って良いです!少し郊外へ行けば、本日の多くの参加者が本選に進むことができるくらい、レベルの差が感じられると言っても過言ではないかなと思います。
ただ、ヴィブラートをまだ習得していない生徒にとっては、どこの本選でも難しいと感じるかなと思います。もし合格できなかったとしても、落ち込む必要はありません。特に今日は参加者が多く、東京本選の中でも特にレベルが高かったと思います。審査員たちも厳しい評価をしていました。
審査員室の雰囲気
今日は主催の安藤先生がいらっしゃらなかったため、審査員室の雰囲気は少し明るくなく静かでした。
審査員として参加されたのが若い女性の先生ばかりで、実は10年以上審査を行ってきている私ですが、初めて審査員室で一言も話すことがなかったです。苦笑。彼女たちの審査スタイルが私とは異なり、厳しい評価をする先生が多いように感じました。それにより、話しにくい雰囲気が漂っていました。
経験上、審査員室の雰囲気が盛り上がらないと、実際の平均点や合格率が下がる傾向があるので、少し不安を感じました。そして、その不安は的中してしまったようです。
お昼ご飯は、なんと今半の牛肉弁当でした!円安インバウンド特需の影響でクラコンの予算が増えたのかな?(←冗談です)とても美味しくいただきました。
審査員室の雰囲気が私には合わなかったので、外の公園でお弁当を食べることにしました。
いやあ、秋の青空の下での公園の風景は、とても素晴らしかったです。笑 ただ、水曜日の昼間にスーツ姿で公園にいたので、少しニート的な人に見えたかもしれませんが。苦笑 でも、お弁当は今半だったので大満足でした!( ◠‿◠ )
すみだトリフォニーホールは、なかなか天井も高く広くて、響きも良かったです。周辺ホールの中では一番ではないかなと思いました。さすが、新日フィルの本拠地ですね。
こどもが100%の力を出す方法|原因は緊張だけにあらず!
さて、本題です。本日の審査、コンクール本選で感じたことは「みんなミスが”異常”に多い!普段の力が出せていない!悔しい!」でした。汗
本番には強いのがわたしの生徒の自慢なのですが、今回は何かが違ったようでした。
もちろん本番の演奏で、120%の力を出せる子もいれば、80%、50%それ以下の子もいます。100%という子はあまりいないかなと思います。それなりに緊張するわけですから、いつも通りとは行かないので100%は人間ではないと思います。笑
でも緊張するのは悪いことではありません。「緊張する子」というのは、イコール「空気が読める子」なのです。緊張するということは、とても人間として正常な機能を持っているということなのです。
空気が読めなければ、緊張なんかしません。「空気を読む力がある子」だから、緊張するのです。周りを気遣える良い子なのです。ママ達は、子供が緊張することをむしろ誇りに思って欲しいです!( ◠‿◠ )
しかし、緊張が悪い方向に行き過ぎて、ミスを連発したり、暗譜が飛んだり、ありえないミスに繋がったりすることも事実です。緊張が、緊急信号に変わり、脳内パニックになる感じです。
その逆で、緊張することで、本番だと気合が入り上手く行く子もあります。勇敢で緊急的な強さがある子です。災害や困難があった時にも大活躍できる力を持っているのでしょう。
しかし、「緊張を活かせる場合と活かせない場合、どう違うのかな〜。緊張すると良くない子はどうすれば、ポジティブになるかな〜」とずっと審査しながら研究していました。
そして、辿り着いた答えは、本番で力を発揮するためには「緊張だけ」じゃないぞ。これは。と悟りました。
こどもが100%力を発揮するための要因として
・緊張・雰囲気・気候・練習不足・舞台経験
の5つが挙げられるかなと思います。それぞれの解決方法を示したいと思います。
緊張
先ず緊張に関しては、緊張を挑む勇気に変えて、吹っ切れることが一番です。勿論慣れもあると思います。ただ、緊張に関しては沢山の文献や動画がありますので、詳細は省略します。緊張を過度にしてしまう場合は、少し楽に力を抜いた方が良いですが、適度な緊張は「空気を読む」という意味でも必要だと思います。それを力に変えられるのも事実ですし。舞台経験を積んで、「げんかつぎ」を早めに作ることをお勧めします。験担ぎについては、最後に記します。
雰囲気
雰囲気に感しては、流れがあると思います。上記のように審査員達の部屋の雰囲気もあります。一番運が左右されるところかなと思います。面白いことに(面白くないですが。。)前の子が失敗すると、上手い子でも失敗しやすくなるというのも事実。これを舞台の神様のいたずらなんて言われることもあります。良い雰囲気にする為には、コンクールに参加出来ることを感謝することですかね〜。これだけは、変えようが無い。神社に行きましょう。笑
気候
気候ですが、今日は最高でした。ですが、秋の花粉症の人は大変でしたよね。気候は、もちろん雨や台風で、楽器にも体調にも影響してきます。雨の雰囲気、解決方法は、スマホで晴れの日の写真や動画見(せ)ることが良いでしょう。今日は晴れだー!と洗脳させるのです。笑(実際効果ありでしたよ!)花粉症やら寒暖差アレルギーや、体調が気候でおかしくなるようでしたら、食べ物や寝る時間、相当ひどいなら病院などでアドヴァイスをもらうと改善出来るかもしれません。あとは、てるてる坊主を作るとか!?笑
練習不足
練習不足に関しては、言わずもがな、ですかね。皆さん、よく練習不足と口揃えて言いますが、どれほど練習したらイイんですかね。そりゃ、自分より才能がある子よりうまくなりたければ、才能ある子達より圧倒的な練習時間が必要になりますし、逆に才能ある子ならば、そんなに練習しなくても大丈夫だし、、、、いいえ!そんなことはない!才能ある子はやはり練習してます。練習する才能があるのです!練習は嘘をつかないです。本当に結果に出ます。ですが、もちろん他に挙げている要因で結果に出ないこともありますが、練習は運も引き寄せるとも経験上思います。練習不足は、何時に何を練習するという習慣が必要かなと思います。あと、練習は、コンクールは、耐久勝負だと思うことです!( ◠‿◠ )
舞台経験
最後に舞台経験。やはりコンクールをはじめ、舞台経験が多い子達は、慣れた演奏をします。というのも、舞台や人前で弾くことに抵抗感が無くなるからです。しかし、ここで勘違いをしてはならないのが、闇雲に舞台経験を積むということです。これはダメです。ちゃあんと一回一回反省して、沢山練習して、課題を乗り越えてうまくならなきゃダメです。舞台経験をしまくって、ダメだった生徒も沢山います。しっかり経験を糧に上達しようとする生徒が結果を力を発揮します。気をつけましょう。そして、最後に舞台経験を糧にするためには、「げんかつぎ」を早めに作ることをお勧めします。
げんかつぎ
「験担ぎ(げんかつぎ)」こういう時に、こうなる。手に人という字を書くと上手く行く。舞台に行く前に一礼すると大丈夫。舞台前にあっち向いてホイをすると良い。などなど 人によってうまく行くパターンを幾つか作ることが大事かなと思います。100%の力が出せるよう、ぜひ考えてみて挑戦してみてください!
例外ですが、食べ物もあるかなと思います。午前中に審査がある子達は、軽くバナナが良いと思います。結構集中力上がり、バランス良い気合が入るんですよね。嘘だと思って験担ぎで試してみてください!( ◠‿◠ )
そして、わたしの教室、クニトInt’lストリングスクールからは、6名の生徒が優秀賞を受賞し全国大会に行くこととなりました。祝 本当は、準備しっかり出来てた子もいて、もっと行けた筈なのですけどね。本当に今回は特に悔しいです。こればっかりは運もあるので仕方ないです。涙
優秀賞|櫻井優佳ちゃん(幼児年長)・原田かれんちゃん(小2)・大場晴生くん(小3)・金藤健史くん(小5)・栗原朱生さん(小6)・梶間 凜桜さん(中3)
先月の全日本ジュニアコンで燃え尽き症候群の生徒が何名かいましたが、みんな頑張ってくれました!
本日も生徒たちのピアノ伴奏を務めてくださった水村先生、戸田先生のご協力に感謝申し上げます。
そして、今回面白かったのは、今回もApple Watchを付けて審査をしていたのですが、緊張する参加者が出てくるとApple Watchが反応し、心拍数を警告をしてくるのです。(以下画像)Apple Watchには、流石にバレましたね。笑
全国大会に行く子達は、本選の課題を片付けて全力で練習を!練習した分だけ結果が出ます!がんばって!
そして、全国大会に行けない子達は、来年の曲スタートが一早く切れます。発表会で本選で得た課題をクリアーし、同時に来年の準備開始して、レベンジの用意して行きましょう!