音程直しを楽しむ考え方!

ヴァイオリンを弾く上で、一番難しい事は音程を決める事だと思います。

ヴァイオリンは、左手の指で弦をぐっと押して音程を決め、弓を持つ右手で音を作る訳ですが、その左手で弦を押さえる、指板(黒いところ)には音程を示す線もマークもありません(´・_・`)

そこで、生徒の皆さんには音程が取れるように音階(ドレミファソラシド)を必死で練習して貰うのですが、その音階も決して楽しいものではありません。そこを、

先生達はなんとか楽しく、意味のある練習だと説得して練習させて上達を試みます。

勿論、音階(スケール)はかなりの効果は望めますし、素晴らしい基礎能力が練習の仕方次第で向上する事は間違いありません。

しかし、実は音階の練習だけでは、気持ちの良い、理想の音程を取る事は難しいのです。

私も小さい頃から音程が悪いと言われ続けて苦労してきました。

正直、音程にはその奏者のレヴェルによって感覚が違いますが、自分の音程が良いと納得する事は至難の業です。

自分の音程が良いと思った瞬間、気が緩む事から、自分の音程に厳しくなってしまうのが普通だと思います。他人の演奏なら尚更です。

ですが!!

現在私は、学生時代ほど音程を直す事が苦痛では無くなりました!(良くなったかどうかは知りませんが?!?)

というのも、音程を直す事は、音楽を作って行く過程の1つと考えられる様になったので、楽しい作業の1つになったのです。

音程は、音楽の細胞だと思います。その細胞をどういう風に作って行くか、つまり音程は直すモノではなく、作るもの。そして、最終的には音程が音楽表現の1つになる事が理解出来たから楽しめるのかなと思います。

今曲の中で何調を、演奏しているのか。

その調の中でどういう和音だから、どういう音程がベストか。

シャープはどのくらい音程を上げるか、フラットはどのくらい音程を下げるか。

いや、この曲は作曲家が、こういうフレーズを描きたかったら、こういう音程だ!

という風に考えながら理論と感覚で音程を作って行くのです。

つまり、私は「その奏者の音程は個性であって、曲やフレーズ、その調によって自分で作っていくもの」だと思っております。

平均律のピアノやチューナーの音程で直している、もしくは、ピアノやチューナーの音程で先生に直されている時点では、まだまだ!という話です。

昔、故田中千香士先生の1番最初のレッスンで、ピアノのラの音を調弦するために叩こうとしたら、Aを叩かない!!!と怒られた事を思い出します。

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また、音程は個性だ!という事を、1つ証明出来る話があります。

(もちろん名前は出しませんが、)一昔前に、アニメーション映画である小さい子が歌っていて、音程が明らかにおかしいけど売れた曲がいくつかありましたよね。

あの音程も、個性だと思います。勿論、あの外れた音程を気持ち悪いという人もいますが、逆にあの外れた音程感が可愛くて良い!という人もいたはずです。

つまり、気に入られる事も、気に入られない事もあるのが個性ですから、音程は個性だと思います。

もっと言うと、レッスンで先生に同じ音程のはずなのに、先週凄く悪く言われたのに、今週は指摘されなかった、もしくは気にされなかった。という経験がある人は多いハズです。

これは、気持ちの問題もあります。弾いている側が、悲しい気持ちのときに演奏すると、少し低めになったり、緊張していると高めになったりします。

他に、聴いている側のコンディションとして、高い音程は気に障る事があります。

他に、気候の変動もあります。

プールに入った後に、気圧で音程感が変わることってありますよね。

私の場合は、プールで泳いだ後1音(全音)くらい変わります。

天気が良い時悪い時、そして時刻も多少は変わってくるかもしれません。気候や空気によって音程が変わるのは、ヨーロッパに行けば明らかだとわかります。

音程は、演奏側、聴く側の両方のコンディションにも影響するという事です。それなら、音程を調性するにあたり個性を大事にするのは重要な事だと思います

もちろん!!!!!

今までの話は、微妙な音程ではなく、「違う音!」を弾いている人達には当てはまりませんよ!そういう生徒はまだまだピアノやチューナーで合わせたほうが良いです。

また!!!

音をはずす。という行為は、音程が悪いという事とは別次元の問題で、音程が良い奏者が音をはずすことは、幾らでもあります。それは、人間ですから仕方のない事です。

ただ、元々音程が悪い人が音をはずすのと、音程が良い人が音をはずすのは、審査をやっていても訳が全然違います。

例えば、フィギュアスケートで、転んでも金!というのと一緒だと思います。

音程も個性だと考えて(直す)作る事が大事なのかもしれませんね(^^ゞ

がんばりましょう!!

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