過去に演奏した曲を解凍する3つの方法!

現在練習している曲集

以前に演奏したことがある曲をまた演奏する機会が来ることがあります。

例えば来月演奏予定の、サラサーテのカルメンファンタジー。これを最後に演奏したのは、28歳の時。約8年前。8年振りの再演です。この曲は難しいだけではなく、面白く弾くにはある程度体力も必要なので、練習もハードになることから暫く避けていまして、8年も経ってしまいました。そして、次回のリサイタルで弾くことを決断した理由は、ピアノで共演する新納さんから、「カルメン幻想曲なんてどう?」と提案されたことでした。その時に、ふと頭をよぎりしました。「このまま弾かないと、もうこの曲を人前で弾くことが私の人生でなくなってしまう。よし、再挑戦してみよう!」と思い、再演の決断をしました。

さて、

過去に演奏した曲を再演を練習する際、3つの再開方法があります。

一つは、以前演奏したことをそのまま再現する練習。時間が無い場合や、特にこだわりが無い場合、自信がある場合は、昔の楽譜を取り出して、そのまま練習をはじめます。故田中千香士先生曰く、「前やった曲は、10回弾けば元に戻るよね」とのこと。オーケストラの曲や室内楽の曲は、主にこの再現方法が多いです。

2つ目は、以前演奏した楽譜を元に改良して行くパターンです。つまり、以前演奏した時に使った楽譜を持ち出して、練習を開始するのですが、気に入らないフィンガリング(指使い)やボウイング(弓順)は、改善していくという方法。時が経つと、結構意見が変わることが多々あります。なので、自分で以前決めたフィンガリングやボウイングであっても、変更したくなります。

ある程度、譜読みをしてから、無我夢中で練習しているとスコトーマ(盲点)できてしまい、その時はきっとベターなフィンガリングやボウイングが思いつかなくなってしまうことがあります。なので、再練習の時に良いアイデアが思いつくことはそんなに不思議な事ではないです。たまに、暫く練習していなかったら、上手く弾けることってありますが、それと同じことだと思います。

あとは、再練習の際に、過去より成長&上達していれば、変更したくなることは当然かなと思います。少し厳しい言い方かもしれませんが、同じ曲を再演奏するときに、全く変更を行えない人は、きっと成長&上達が乏しいからかもしれません。

3つ目は、全く白紙にしてゼロからスタートするパターン。新たに楽譜を買い、前の楽譜を見ずに最初からやり直す。この方法は、理想的で最もオススメする方法です。ですが、よほど時間があるときや、こだわりがどうしてもある場合を除いては、皆さんやられないでしょう。私もたまにしかやりません。

例えば私の場合、前とどうしても違う演奏をしたいとき、今の実力に見合った演奏をしたいとき、前に習ったやりかたではなく今のやり方にアップデートしたいときに、新たに楽譜を購入して前の楽譜は使わずに練習をはじめます。結構このやり方でやると色々と新たな案が出るんですよね。とてもアーティスティックな練習の仕方だと思います。

前に練習した曲などを再演奏する場合は、前と同程度の演奏を目指すのではなく、拘りを持って向上心を持って練習してみたいものです。その方が、自分も楽しいですし、聴いてくれる人達にも、気持ちが実は伝わりやすくなります。きっとその方が思い入れがあるからですね!

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