第17回セシリア国際音楽コンクール本選2023審査【室内楽|リサイタル部門】@浦安音楽ホール ※特別寄稿「別人を演奏に組み込め!」

本日(2023年3月24日金曜)新浦安駅近くにある浦安音楽ホールにて、第17回セシリア国際音楽コンクールの室内楽&リサイタル部門の審査を担当させていただきました。

コンクール主宰・審査員長の吉川先生をはじめ、審査でご一緒させていただきました審査員の先生方、そしてセシリアスタッフの皆様のお気遣いに感謝申し上げます!

本日の審査内容

今回の審査は、午前中が室内楽部門、そして午後に、リサイタル部門を行いました。

室内楽部門は4組、リサイタル部門は18名。1人あたり約20分くらいあるので、なかなか聴きごたえありましたねぇ。一人あたりの審査が長くなると、点数に影響するのかな?と思っておりましたが、正直に言ってしまいますが、参加者の演奏が短くても長くても私の中で点数は変わらなかったです。むしろスタミナが切れてくる奏者は、点数に影響するかもしれませんが、みなさんが思うほどではありません。

リサイタル部門の楽器配分は、ハープ1名、ヴィオラ1名、ヴァイオリン1名、残り15名がピアノでした。ピアニストの参加者が多いというのは、考えさせられましたねぇ。コンクールで、これだけ多くのピアニストの審査をさせていただいたのは初めてでした。

多少、ピアノの審査に自信が無かったものの、蓋を開ければ結構ピアノの先生御二方と点数も講評も同意見なことが多く、ピアノを審査する自信が付き、あんまり私には必要性は無いですが、ピアノ審査能力も付きました。審査しながら、癖でピアノのコンクール対策のレッスン方法を考えてしまいましたよ。使う機会はありませんが、編み出しちゃいましたよ、無駄に。笑

専門の楽器以外の審査方法

では、私のようなピアノ専攻以外の先生の人たちが、どういうふうに点数を付けているのか。このブログだけの内緒で、私のピアノ審査基準を特別公開したいと思います。但し勿論、これは私の意見なので、そういう審査員が世の中にはいる!くらいに思ってくれればと思いますよ。

私が先ず審査基準にしたのは「ピアノ(楽器)を弾こうとしているのか」それとも「音楽を演奏しようとしているのか」を見極めます。楽器を弾いているな!という演奏より、これから音楽をします!という演奏の方が魅力がありますから。

どのくらい楽器を超越した演奏をしているのか。楽器を超越すると、ヴァイオリンもピアノも無くなるんですよね。わたしとしては、ピアノの詳細は、よくわかっていないと思うので、音楽家としてピアノを聴きたいですし判断したいのです。そこがスタートになるというか、そこからが本当の勝負なような気がします。

次に、印象です。所謂、オーラがあるかどうか。

登場してきたときからの振る舞い、ピアノ椅子の調整から座り方まで、審査員はどんな子か監視しております。そこは全楽器共通ですかね。ピアノ子達で凄い!と思ったのは、笑顔でお辞儀する率が高かったんですよね。きっとレヴェルの高い子達だったからだと思いますが、やるなっと思いました。(^^)

その他に、演奏しているときのオーラや、もちろん私の好きなパフォーマンスなどもあります。パフォーマンスが音楽と合っているのか、音に表れているか。などもみています。

そして、最後に、打鍵のクリアーさと指の強さ、そして、作曲家らしさがあるのかどうか。例えば、弾いているのがラヴェルでもドビュッシーっぽいのはどうなのか。などを審査します。参考になったでしょうか??(^^)

いやあしかし今日は、とにかくショパンを聴きまくりましたが、皆さん本当に素晴らしい演奏でした。全員大差ないですよ。是非頑張ってください!

室内楽部門は、ひとことでまとめますが、個々のテクニックというよりは、アンサンブル能力を重視して点数をつけました。個々の能力だけで判断するとまた点数は変わってくるんですよね。皆さん、次回は是非より多くの方が参加されることを望みます!それで、アンサンブルのレヴェルをドンドン上げていって貰えればと思います!

ひとことアドヴァイス&学んだこと※特別寄稿「別人を演奏に組み込め!」

今回の審査機会でわたしが学んだことは、コンクールでは特に!なのですが、演奏時に「別人の自分を作る努力をしなくてはならない。」ということを悟りました。

登場してお辞儀すると、なんとなくその子の第一印象が出来ます。そこからわたしは「それを裏切る能力」が演奏家には求められるな。って思いました。演技でも良いので!

例えばですが、小柄で大人しそうな子が、めちゃくちゃ激しく大きな音量で弾き始めたら驚きませんか?逆に、大柄の子で今にも強そうな子が、すっごい繊細な音を出したら凄いですよね!

つまり、いつも悪いことばかりやる悪印象の子が、少しでも良いことするとめちゃくちゃ褒められる。ってありますよね。それを演奏時に適応するのです。演奏も、そういう良い意味での裏切りがあると、第一印象が良くなるかなと思いますよ!

但し、これはかなり難しいのです。楽器はその人の性格をよく表しますし、個性がそのまま演奏に出てしまう楽器なのです。

正直に言いますが、わたしは部屋もごちゃごちゃしていますし、生徒は知っていますが、レッスン室もそんなにいつもキレイではありません。丁寧になにかをすることは大の苦手です。

そんな私ですが、ヴァイオリンだけは、性格を変えています。変えざるをえないと言ったほうが正しいかな。

とにかく、ゴミのない雑音無しの音を目指し、綺麗な音を目指して演奏します。潔癖症までなれたらいいなって思いますが、それだと、今度面白味が消えてしまうかもしれませんが、、

是非皆さんも、曲を突き詰めたり、音程を直したり、曲の中の表現を極めようとされているとは思いますが、更に大きく「自分の性格を大きく変えて楽器に臨む」という練習工夫をしてみてください。新たな世界が待っていると思いますよ〜!(^^)/

本日利用したホテル

今回は、以前ブログでレビューしたブライトンホテルに泊まりました!相変わらず素晴らしいホテルでしたよ。執筆活動や教室の運営作業も捗りましたよ!(^^)/

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Kunito Int'l String School!

クニトInt'lストリングスクール ヴァイオリン教室/バイオリン教室 3度の飯より教えることが大好きな講師が、アメリカ大学で行われている国際感覚豊かなレッスンを行ってます!

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