第18回セシリア国際音楽コンクール本選2024審査【小学生1.2年生&4,5年生部門】@浦安音楽ホール

2024年3月22日、第18回セシリア国際音楽コンクール本選(Final)の審査を担当させていただきました。本日は、小学1,2年生の低学年部門と、小学5,6年生の高学年部門の審査を担当させていただきました。13時〜20時過ぎまで約7時間、合計50名超の参加者の演奏を聴かせていただきました。

審査員は、主宰の吉川朝子先生、フェデリコ・アゴスティーニ先生、石崎俊子先生、そして私、西谷国登の4人でした。顔見知りの先生方でしたので、いろいろなお話を8時間の審査時間の間でさせていただき、とても有意義な時間で楽しかったです。

セシリア国際音楽コンクールも早いもので、ありがたいことに6年連続審査員を担当させていただいております。コロナ禍でも、主宰の吉川先生が対策をしっかりとって開催してくださり、色々とお気遣いいただいたりして、その時、コンクールに向けて練習をしてきた生徒が多かったうちの教室も本当に助かりました。吉川先生に改めて感謝申し上げます。

小学校1,2年生の部

では恒例の感想です!

先ず今回驚いたことがありました。小1,2年生の部ですが、コロナが収束して以前より多くの海外からの生徒さんたちが参加されました。より国際的なコンクールになったこと、とても嬉しく光栄に思います。

私達審査員は、海外の参加者には英語で講評を書き、色々と判定していきます。今年は、その人数が激増し、英語を使用する機会も増えました。これからこのコンクールが更に発展して行く前兆であるような気がしてわとてもワクワクしたものを感じました。

今回小学1、2年生の参加者たちは、そんな国際コンクールを体感出来たことだけでも、大きな収穫だったのではないかと思います。皆さんどの子もとても素晴らしい、立派なレベルの高い演奏をされていましたよ!

さて1,2年生達へのアドヴァイスです。

厳しい意見かもしれませんが、少し音楽のコンクールというよりは、「運動会っぽい」コンクールになっている感じが全体的にしました。

ひたすらパワフルさを競う感じで、テンポが速く、パワー(音量)がある子達が評価される感じかなと思いました。(わたしも結局は評価しましたが、、(^^))あくまで、作曲家の意図を汲んで美しい面白い演奏を作っていくことが、クラシック音楽のコンクールだとわたしは考えますよ!

例えばですが、古典的な曲をチャイコフスキーかよっ!と突っ込みたくなるような、とにかくデカい音で速くおりゃーっと演奏するのではなく、やはり古典的な王道の弾き方を小学校低学年なりに譜面を読みながら解釈して先生と作っていくような演奏が、小学校低学年であっても、わたし個人的には観たいかなと思いました(^^)/

それを極めた子達が、上位を取るようになれれば、日本の音楽界が成長し、海外の連中と肩を並べて行ける様になるのではないかなと思います。小さい頃からそういう癖を付けていかなきゃならんかなと思いました。決して大人のような演奏を求めているのではなく、大人のような演奏を目指す演奏を心掛けると、日本の音楽界の未来は明るいんじゃないかな〜と思います。

ただ、運動会っぽいのも、子供っぽさがあり良いのかな〜と思いました。ですが、ちょっと方向性的に、運動会っぽいのが正解になって、そのままの理解で年齢が上がると、色々な壁に当たりやすくなるかな。と少し警戒感を抱きました。

なので、その曲のこと、せめて作曲家のこと、どういう性格だったのかだけでも、ウィキペディアからでも想像出来ますから、少し親御さんといっしょに考えて工夫してもらえればと思います!・・なんてね(^^)

小学生5,6年生の部

小学校5、6年生は、楽器も大きくなり、1,2年生とは違う、流石の演奏をされていました。名曲をたくさん努力されて演奏されていたこと素晴らしく思います。ブラボーです!(^^)/

高学年へのアドヴァイスとして、小学校低学年の部もそうでしたが、全体的にピアニストの先生達が良い意味でも悪い意味でも、、生徒たちに合わせ過ぎているような気がしました!合わせるのが上手過ぎで、子どもたちはそれを善しとしている、当たり前に思っている気がしました。

明らかに間違ったリズムであったり、いきなりテンポを変えて演奏しているのに、ピアニストがしっかりそれに(まるで無かったかのように)合わせて対応されていて、それ自体すごく素晴らしいのですが、生徒たちはなにも言われないからまあいいや。みたいなことが高学年でも起きている気がしました。(低学年でも良くないですよっ!)

あんなに難しい曲を弾いているのに、簡単な2分音符は2拍ということを完全無視して弾いているような状態です。八分音符が、いきなり猛スピードになっているのに、見事にピアニストが合わせて、それが無かったかのように、、、、、なるわけないです。笑 こちとら審査員のプロですから、許しません!しっかり講評だけではなく、点数で処罰します。それが許されるのは、発表会や演奏会ですよ!

もっと直接的に言ってしまえば、ピアニスト達は、優しさのあまり、変な譜読みを許し過ぎている気がしました。小学校高学年になっていれば、少しや譜面も読めるようになっている筈です。勿論、音楽に演奏に熱中することはとても素晴らしいことですし、熱中していればそりゃ心打たれますが、変なリズムで明らかに譜面を無視して演奏していれば興冷めします。

ちゃあんと譜面を読んで、譜面に忠実になることは、ピアニストへの礼儀でもあります。そして、なにより審査員たちは、参加者の演奏中は、心のなかで一緒にカウントして聴いていますよっ。本当に。なので、変な譜読みは、ピアニストの優しい先生たちが許しても、わたしたち審査員は許しません!!気をつけましょう!

参加者の保護者の皆様への貴重な!?アドヴァイス

あと、これは驚かれると思います。今日のコンクールに限らず、結構審査員の先生たちが感じていることで、あまり表には出ないお話です。

審査員の先生たち、意外とホール内で撮影したり、応援している参加者の親御さん達を見ています。iPhoneを片手に、迷惑にもライトを付けて撮影している親御さん、演奏後にホール内で叱っている親御さん。見ています。

もちろんこれは基本、表面上は、評価の対象にはならないですが、どんな親御さんなのかは、撮影している時点でわかりますし、意外と印象が変わっていくるような気がしますよ。本当に。私だけじゃないと思います。親御さんたちは、審査員が見える位置で応援や撮影をされる場合、注意して行動しましょう!不快に思われて、印象が変わったらもったいないです。音楽は抽象的な印象勝負なところもありますから。

とまあ、色々と言いましたが、これらはあくまでわたしの一意見です!(^^)/コンクールは時の運ですから、一喜一憂せずに、皆さん、今回結果が良かった生徒もそうでなかった生徒も、引き続きがんばって、自分の音楽を極めてもらいたいです!楽しく熱くがんばりましょう!(^^)/


第18回セシリア国際音楽コンクール2024
クニトInt’lストリングススクール結果
第2位入賞・金藤健史くん(小5)祝
第3位入賞・大場晴生くん(小3)祝
第4位入賞・櫻井優佳ちゃん(年長)祝
第4位入賞・山本千覚ちゃん(年長)祝
第4位入賞・森山泰地くん(高1)祝

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クニトInt'lストリングスクール ヴァイオリン教室/バイオリン教室 3度の飯より教えることが大好きな講師が、アメリカ大学で行われている国際感覚豊かなレッスンを行ってます!

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