「ヴァイオリン自由自在(番外編)・オーケストラを楽しむ」第3回

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音楽書籍「ヴァイオリン自由自在」を出版する際、お蔵行きとなってしまったオーケストラに関する章が実はあります。そこで、このブログでその文章を公開して行きたいと思います。全5回で今日は第3回目です!編集はされていませんので、読みにくい部分はあるかと思いますが、良ければお付き合いください!m(_ _)m 西谷国登

「幻の第5章 オーケストラを楽しむ」目次

第3回 どんなふうに自分に合ったオーケストラを探せばいい?

ーーでは、いざオーケストラに入ろうと思った時、探すコツや続けられる条件とかを教えてもらえませんか?

西:どんなオーケストラがあるのかを調べるには、やっぱりウェブ検索を使うといいですね。アマチュアオーケストラを紹介するような検索サイトもありますから、そういうサイトでひとつずつ探していくのがいいと思います。口コミは最高ですね。紹介した人が、どういうオケか紹介してくれますから、

では、ここではウェブで検索する際に、自分に合うか合わないかを見極めるポイントを話していきましょう。

まずはそのオーケストラの本拠地、無ければ活動地域ですよね。練習場所や活動地域が自分の通える範囲にあるかどうかが大事です。遠いところでも好きなオケならば続けられる!という方もいますが、やはり近いに越したことはないと思います。

学生であれば学校にオーケストラがあればラッキーだし、アマチュアの人は近くの公民館が練習場所だとラッキーです。練習場所が遠いと、最初は頑張って通うかもしれないですが、だんだんと行くのが億劫になってきますから。そのオーケストラが好きで好きでたまらない、何がなんでも通うんだ!という強い気持ちがない限りは近くで選んだほうがいいですね。

もしウェブサイトで検索するなら、自分の地域の名前と「オーケストラ」で検索を掛けると探しやすいかもしれません。いくつか候補がでてくる場合もあれば、一つしかない場合もあります。ちなみに一例ですが、「石神井 オーケストラ」で調べると私が音楽監督を務める石神井Int’l オーケストラが出てきます!

次に、そのオーケストラが自分に合ったレヴェルなのか、自分のやりたい曲をやっているオケなのかを調べましょう。

地域のオーケストラでも、今はウェブサイトを持っていることが多いですから、ここで色々と調べてみましょう。コンサートの履歴が載っている楽団もありますので、どういう曲目を練習しているのかがわかります。オーケストラによっては、過去の演奏会のYoutube、動画を公開している場合もあります。それを見れば曲目もある程度レヴェルもわかるはずです。

ウェブで調べきれない場合は、見学をするとレヴェルは理解できますし、曲目もある程度参考になりますよね。レヴェルについてはどんな曲目を選んでいるかで見当がつくこともあります。参考までに言うと、古典派とかバロック時代の昔のものを演奏する楽団っていうのは、(もちろん一概には言えませんよ!)そんなにレヴェルが高くない傾向があります。その時代の曲目には、基本的なものが多く、弾きやすいものが多いからです。逆にロマン派とか近代とかの曲をガンガン弾いている楽団というのはレヴェルが高い可能性があります(こちらも一概には言えませんが!)。

もちろん、曲のレヴェルではなく、こだわりをもって曲目を選んでいる可能性もあるので、一概に断言はできませんが、そういう点も気にしてみると選びやすいですね。

次に練習回数とコンサート回数。楽団によって本当に大変なところは、土日は全部練習だったりするところもありますし、毎週1回のところや、隔週や2週に1回などオケも様々です。普段が隔週でもコンサートが近い場合は毎週になったりするところもあります。コンサート回数も楽団によって様々です。アマチュアオーケストラでも年に4、5回やるような団もありますよ。ただ大体は、年1回の定期演奏会と、1、2回を少し規模の小さい演奏会を行うところが多いのではないでしょうか。ウェブサイトで調べたり、メールなどで問い合わせてみるのがいいと思います。

練習回数やコンサート回数は、自分のライフスタイルにあった楽団を選ぶほうがより良いです。コンサートの回数が多いと準備も大変ですし、演奏会費もかかります。忙しさのあまりオーケストラに翻弄されちゃって、自分の大切な(個人やレッスンで教わっている)練習曲がおろそかになったりするんですね。だからオケを選ぶ時は、自分が無理なくできる楽団かどうかを良く考えてみてください。

そして、団費、演奏会費用もきちんと調べておきましょう。アマチュアオーケストラでも高額なところになると数万円から、時には十数万の金額が必要になることもあります。いくら良いオーケストラでも金銭的に無理するのは良くないですから、自分のお財布と相談しながら経済的な楽団を選ばないといけないですよね。

それからオーケストラの運営の仕方や、運営を任されている人たちがどういう人達なのかも大事なポイントです。まれに専門の運営スタッフを雇っている場合がありますが、だいたいはどのオケも自主運営、ボランティアで行っています。

見極めるコツとしては、連絡をした時の対応を見ることです。メールで問い合わせをした時の返信の早さとか文面とか、見学に行った時の対応とかが判断基準になります。やっぱり運営に関わっている、任されているコアな人たちっていうのは、そのオーケストラの顔でもあるので、自分とその人たちが合うかどうかを観ておきましょう。

例えば、メールがなかなか返ってこない場合だと、返す余裕がないくらい忙しい人たちの集まるオーケストラの可能性もありますので要注意とか。まあ1回くらいなら偶然かもしれませんが、いろいろな部分で、何度も「あれ?」と疑問に思うような事があるオーケストラはやめておいて、逆に感じが良いなと思ったオーケストラを選んだほうが、合うオーケストラ、楽しく出来るオーケストラだと思います。

プロの演奏家や音大卒の先生が講師やトレーナーで所属しているかどうかも選ぶポイントです。やっぱりアマチュアの人たちにとっては、講師がいたほうが学ぶことが多いです。直接弾き方を教えてもらえるのはもちろんですが、練習だけでなく本番も一緒に弾いてくれる場合が多いので、プロと一緒に弾くことでものすごい勉強になります。

大人はもちろんですが、ユースオーケストラの場合、子どもたちがプロの方と同じ舞台で弾けるというのは、その子の将来にとっても、すごい貴重な経験になるはずです。

もちろん、アマチュアだけで演奏するオーケストラも楽しいですしそれでも良いのですが、オーケストラを通じて楽器の向上も望みたい方は、講師陣やトレーナーがいるオーケストラの方が、ただ楽しむだけじゃなくて、自分の練習技術向上にもなります。オケで演奏する曲のことだけじゃなくて、いろいろと相談や質問をすることもできますからお得です!

入団条件もちゃんと見ておきましょうね。

例えばシフティング、ポジション移動ができること等が入団条件だったり、入団オーディションに課題曲がある場合もありますから、事前に確認しておくことが必要です。もし課題曲のあるオーケストラに入りたいのであれば、自分が習っている先生に相談するのもいいかなと思います。

他に、ウェブサイト自体の雰囲気や作りも、そのオーケストラの特徴をよく表していると思うのでチェックしておくと良いです。ウェブサイトは、そのオーケストラの顔みたいなもので、写真が多かったり、動きがあったりして華やかなウェブサイトであれば、華やかにしようとしているオーケストラなんだなと思うし、昔ながらのシンプルなつくりのウェブサイトだと、真面目だったり古風だったりするオーケストラが多かったりします。

ウェブサイトだけでなく、オーケストラのブログを掲載しているところもありますから、ブログを読んでどういう練習をしているか、どういうコンサートを行っているか、オケの雰囲気も注目してみましょう。

写真からメンバーの性格とか雰囲気とかが理解できることがとても多いです。気になったオーケストラの情報はしっかりと調べておきましょう!

ウェブでの情報収集だけでなくて、昔ながらの口コミもオケを知るためには重要な情報です。知り合いにオーケストラに所属している人がいたら、一度見学に行くのもいいです。団中に友人がいたほうが馴染みやすいですし、オーケストラ側も全然知らない人よりも、団員が紹介する人が来るほうが心を開いてくれる可能性が高いと思います。やっぱり口コミはお互いの信頼度があがりますよね。もちろん練習に行ってみて条件が合わなければ無理に入る必要はありませんが、そういう機会があれば逃す必要はないと思いますよ。

口コミにせよ、ウェブ検索にせよ、事前にたくさんの情報を仕入れておけば、自分に合うオーケストラを見つけやすいと思います。ただ、調べても100%わかるわけではありません。良さそうだなとか、なんとなく気になるな、と思ったオーケストラには問い合わせをしてみたり見学に行ったりして、実際に一歩踏み出してアプローチすることが大事ですね。そうやって動いてみて、自分にとってベストなオーケストラを探してもらえればなと思います。

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