「ヴァイオリン自由自在(番外編)・オーケストラを楽しむ」第4回

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音楽書籍「ヴァイオリン自由自在」を出版する際、お蔵行きとなってしまったオーケストラに関する章が実はあります。そこで、このブログでその文章を公開して行きたいと思います。全5回で今日は第4回目です!編集はされていませんので、読みにくい部分はあるかと思いますが、良ければお付き合いください!m(_ _)m 西谷国登

「幻の第5章 オーケストラを楽しむ」目次

第4回オーケストラ運営についても知識として理解してから入団する事が望ましい

ーーオーケストラについて聞くと、ただ楽器を弾くだけじゃなくお手伝いの部分もあるのですよね。そのお手伝いにはどんなものがあるのでしょうか?

西:オーケストラには事務がなければ成り立たないのですけど、アマチュアオーケストラでは、それを楽団員がボランティアでやる場合がほとんどです。

ですから、楽団員として所属していれば、いずれは何らかの運営に関わる必要がでてきます。そこで、ここではどんな役割があるかご紹介していきましょう。

まずはオーケストラの社長役職として「音楽監督」。音楽監督は音楽における総合監督、総合責任者ですから、ほとんどの場合指揮者が総合責任者と兼任します。(※音楽監督はその楽団でトップ指揮者の意味もあります)だから楽団員になって、音楽監督の役割を持つことはほぼないのですが、一アマオケの音楽監督として私が思う理想の形を話しておきましょう。

指揮者、総合責任者である音楽監督は、事務については基本的に事務局長に任せる事が重要です。緊急の場合や意見を求められた時だけは意見を出して、基本的に事務は事務局長以下に任す形が良いと思います。そして、私はすべての責任をとりますという形にしておく事が、オケ運営をスムーズにするのではないかと思います。

その代わり事務局長は、音楽監督にとって信頼のできる相手じゃないと絶対いけないです。中には事務から音楽の事まで全部やろうとしちゃう音楽監督もいるのですが、それだと音楽的なことも事務的なことも権力が一人に集中しちゃうので、楽団員が萎縮しちゃう場合もあります。だから音楽監督は音楽のことに集中、というのが良いのかなと思います。

続いて「団長」。この役職には音楽的にだけではなく、一般的な信頼性があるような人がベストです。会社の社長さんや地域のまとめ役など、社会的な地位が上の方が良いです。それに加えて音楽が好きな人とか、ベテランな方が団長には相応しいです。団長の主な仕事としては、プログラムに挨拶文を書いたり、スポンサーやお世話になっている方々に挨拶したり、そういう楽団の顔としての活動が多いです。

次に「事務局長」。事務局長は全ての運営のまとめ役です。私のオーケストラの場合は、総会の取りまとめとか、他の人たちへの仕事の振り分けに始まり、外部とのメール連絡とか新規のメール相手とのやりとりなどまで色々な事を任せております。少し体力的だけではなく、精神的にも負担が重いので、少しでも負担を軽くするために補佐、副事務局長を複数人選出していると、より良いです。

そして、一般役職で重要な役割であるのは、「経理」です。

オーケストラでも会社でもどこの組織でもそうですけど、お金の管理はとても重要です。オーケストラのお金の管理は誰にでも頼める仕事ではないですよね。使い込んじゃう人、っていうのはそうそういないかもしれませんが、どんぶり勘定だったり、管理がずさんな人だと後々問題が起こりやすく務まりません。ですから、責任感の強い人やきっちりした仕事をしている人に任せるのがいいですね。

続いての役職は「広報」について。

広報は、新入団員でも協力を求められる可能性が高いです。フライヤーをここに置いてきてほしいとか、周りに配ってほしい。とお願いされることがあります。

広報があまり機能せずに、演奏会のお客さんが少ないと悲しいですからね。年に一度の定期演奏会であれば一年練習してきた集大成ですから、たくさんお客さんの席が埋まってほしいです。満席だったりしたら、そのオーケストラの信頼性も上がります。広報の役割は非常に重要です。

また、演奏会の集客だけでなく、広報は、オーケストラへの入団希望者を増やすという目的もあります。だから演奏会のフライヤーを制作するのはもちろん、TwitterやフェイスブックといったSNSで告知をしてみたりとか、色々な形でオーケストラの紹介をしたりするのも大事な役割なんです。

広報が機能すると、そのおかげで取材の申し込みが入ったり、知名度も上がり演奏会の依頼など嬉しい依頼も来たりしますよ!

それから譜面係という役職もあります。一昔前までは団員全員の分のコピーを刷って、配って、先生たちに渡す分は製本して、といったアナログな作業がたくさんありました。ですが時代は変わり、PDFにした楽譜をメール添付で一斉送信!ということや、クラウド上からみんなに譜面のデータを流すと言った方法になり、簡単に譜面を共有出来る時代になりました。ということで、最近譜面係の役割っていうのはだんだんと減ってきてはいます。ただ、著作権のある譜面の問題や、楽団が持っている膨大な量の譜面の管理とか、譜面を配る以外の作業もありますので欠かせない役割ではあります。譜面係の特権として、先に譜面を手に入れるという特権もあります!

そして演奏会で活躍する演奏会係という役職があります。

演奏会係は、いろいろな役割がありますが、中でも一番大事なのは舞台の事を全て仕切るステージマネージャー(舞台監督)が重要です。“ステマネ”という略称で呼ばれることが多いのですが、基本的には演奏会当日の運営について良く知っている方が任され担当します。演奏会経験も豊富で椅子の並べ方から椅子の配置、舞台配置など、一連の流れがわかる人に任せると演奏会が円滑に進みます。

他には当日の進行表を作る方、受付、花束を用意する方、ドア係、影アナ、楽屋の鍵を管理する楽屋係などなど、演奏会ではたくさんの役割があります。

最後に「打ち上げ係」。いわゆる宴会の幹事さんです。この役割が一番大事だと言う方もいます。お酒を美味しく飲むために演奏会に出る!なんて人もいるくらい、演奏会の後の打ち上げを楽しみにしている人は多いです。ですが、この打ち上げ係をちゃんと決めておかないと、演奏後の会場がなかったりしてしまいますよね。演奏会後の打ち上げまで段取りができてこそ、みんなが楽しく演奏できるんで、そういう役割が必要かなと思います。打ち上げまでが、演奏会であり、そのオケの1シーズンです!

さて、このようにオーケストラを運営するには沢山の役職・役割があるんですね。こういうことを事前に知っていても損はしないし、そのオーケストラ運営も楽しめるような人がオーケストラに入るべきじゃないかなと思います。嫌なことまでやる必要はありませんが、ただオーケストラの曲が好きだから、楽器を弾くだけの為に入団したんだ!という姿勢よりは、オーケストラ運営も言われればやりますよ、という協力的な姿勢で入団を考えておいたほうが好意的かもしれません!

クララ・シューマンと仲間たち

練馬区文化振興協会主宰「クララ・シューマンと仲間たち」

日時:2019年10月19日(土)
会場:練馬文化センター小ホール
出演:西谷国登 毛利巨塵 坂田麻里
曲目:クララ・シューマン ファニーメンデルスゾーン ピアノ三重奏 他

女流音楽家たちの曲を中心にお届けします!
シューマンやブラームス、ショパンなど素晴らしい作曲家を輩出した19世紀のロマン派絶頂期。
この時代を生きた二人の女流作曲家クララ・シューマンとファニー・メンデルスゾーンは類まれなる才能がありながら、当時の社会で「女性」は作曲家としては認められることはありませんでした。
クララ・シューマンの生誕200年の時を経てよみがえる、女流作曲家とその仲間たちの作品をお聴きください。

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