私のレッスンスタイルは「飴と鞭」方式です(^^)
先生が優しい「飴」を渡す係を担当し、親御さんに厳しい「鞭」係を担当してもらっていることが多いです。(ズルい?)なので、私の生徒の親御さんには、相当な負担が掛かっているのは重々承知していますが、この方法が私はベストだと思っておりますし、楽しく上達するという結果を出していると自負しております。
逆に、先生が厳しく「鞭」になり親御さんが「飴」になると、レッスンに行くことがしんどくなりますし、レッスンに行かなくなっちゃったら楽器も続かなくなります。
また、お金と時間を投資して上達を目指す親御さんが「飴」になり続けることは、通常難しいですよね。結局、先生が「鞭」役を行っていると、先生と親御さんの両方が「鞭」となってしまうパターンが世の中多いのではないかと思います。
こうなると生徒は、間違いなく楽器が嫌いになりやめたくなっちゃうケースが増加し、続けていても楽しさを教えるプロにはなれなく、そのままプロとして生きていても「音楽、楽器は大変で嫌なモノ」だと考えてしまうシンドイ人生になってしまうことでしょう。それ故か、性格もひん曲がっていることが多い音楽家が多いのも事実。「無知」??なゆえの「鞭」??になってしまうのです。なんちゃって。(・・すみません 汗 思いついたもので・・笑 勿論無知ではないです)
なので、私は、「飴」を選び、親御さんには「鞭」を担当してもらっております(^^)しかし、その副作用で親子喧嘩が、どうしても起こりやすくなってしまいます。今回は、練習における親子喧嘩について私の経験と意見、私が考える解決方法をお話したいと思います。
私の練習中の親子喧嘩経験
私が小学校3年生の時、母に練習指導してもらっているとき「弾けないくせに〜っ!」とわたしが逆ギレしたことがあり、更に逆ギレされ母に家出をされたことがありました。笑
それで、母に謝って以来、そういうことは無くなりましたが、その後、プロの先生に習い始めた時に、その先生に嫌味で「この子は楽しそうに弾くけど、それは嫌になるぐらい練習して来なかったからね」と言われた経験があります。苦笑
でも、わたしは、それで良かったと思います。だから、楽しさも伝えられる先生になれている筈?なのです。私は幼少時代人一倍遅れた生徒でしたが、焦って、コンクールなどで賞を取らなくても、立派に??プロになれています(^^)楽器を弾くことが好きなら大丈夫!あせらないあせらないです(^^)
まず最初に、度が過ぎる喧嘩は絶対ダメですよ!
レッスンの調弦時に、生徒のヴァイオリンを拝見すると、どのくらい練習したのか予測することが出来ます。
ただ、顎当てからツツ〜っと涙の跡が楽器に毎回あると「かなり泣かされている」可能性があるので、親御さんに注意を発令しなくてはなりません。(たまに、鼻水、花粉症と勘違いしますが笑)しかし、レッスンのときに先生を遮って介入や怒鳴ったりするなら、もう教室退去の警告レヴェルです。
他に過去にあった荒れたケースですと、楽譜を破ってしまったり、児童虐待なのでは無いか?と近所に疑われる?ぐらい大声で喧嘩される。ケースもありました。しかも、それをむしろ誇りのように周りに言う方もいらっしゃいました。
こうなると、もうパワハラレヴェルかもしれません。言うことを聞かない子供さんに、叱るときになぜか憎悪の感情が入ってしまっている可能性も有ります。こんな例は、私の理想からかけ離れます。今の私の生徒さんにこういう質の親御さんはもういらっしゃいませんが、色々と経験になりました^^;
発表会前、コンクール前の喧嘩
発表会前やコンクール前など、本番前は、異常なストレスとプレッシャーがかかるので、親子喧嘩も多くなって来ます。
それが悪循環になってしまうと、練習しても練習しても空回りして、下手になるケースがあります。更には、緊張やストレスから熱出したり、お腹痛くなったりもします。ただ、コンクールはこういう子達が受かるというのも事実です。確かに一生懸命準備した演奏は、感激しますし、リスペクトすることが多いです。
私の意見として、コンクールに受かっても音楽人生の影響はそこまで無いと思いますし、人生左右されるべきではありません。コンクールは実験の場で有り、場数を踏むため、モチベーション作りのためだと私は考えます。
しかし、コンクールに、楽器を続けるか辞めるかの選択を迫るようなヴァイオリン人生を賭ける方が多くいるのは如何なものでしょうか。そういう考えになったら、楽器をはじめた理由を思い出してほしいですし、プロになりたいその道に進みたいなら、余計にコンクールや身内以外の評価だけで左右されるべきではないのです。コンクールでプロの道を諦める必要も、音楽の世界を嫌いになる必要も無いんです。
私はこの負の状態をコンクール病と呼んでいまして、解決方法があります。それは、先生が、ちゃんとコンクールを理解させて、発表会などの点数がつかない場で楽しませて自由に弾かせてあげることです。実際のプロの演奏会は、発表会のほうが近いのですから。あ、、、少し話がコンクール方面にズレました^^;ごめんなさい。最近コンクールが多かったもので、、
本番前のストレスは、完璧主義や不安主義、ネガティブな方に多いです。英語に「詳細に悪魔が宿る」と言う諺がありますが、なによりその結果一番まずいのは、最悪先生と喧嘩になることもあります。
大人の生徒の例をあげると、やはり大人は人生経験がある分緊張の度合いも大きい傾向があり、本番前のレッスンでは余程柔軟性がある生徒でないとレッスンの指示や変更を受け入れられないケースが結構あります。発表会前は、少しでも何かが変更があると大きなストレスを受けて、受け入れられなく何かしらの理由を付けて指示を断ってくることが多いです。そうなると、先生も気分を悪くして、空気の悪い状態になることもあります。
なので本番前のレッスンは、大人の生徒には、(特にその傾向が強い方には)新たな指示は禁物なのです。だからと「褒めてばかりで何も指示が無いとレッスンではない!」と文句を言う生徒には、逆にガンガン指示を出して本番前ストレスを経験させることもあります。大体この経験をさせると、大人でも泣きそうになります^^;苦笑 「指示をしないレッスンも大事」なのです。それが不思議と大人は上達するのです。大人の生徒さんは、ストレス解消法をある程度知っている筈なので、はけ口を見つけることが大事かなと思います!
逆に、本番前の学生の生徒には、逆にガンガン指導すると良いです。というのも、本番前の緊張感があり、1番指示が浸透しやすい時期だからです。一気に伸びます。学生の生徒が嫌がる音程直しが一番効果ある時期でもあります(^^)
基礎練習時、嫌なコツコツ練習時、ゆっくり練習指示の時の喧嘩
練習時の親子喧嘩の原因ナンバーワンが、「親御さんが上達を確信する練習」をお子さんがしない時です。
例として、脈拍数が高い子供にとって拷問である!?「ゆっくりテンポ」での練習や、上達するための基礎の音階を押し付けられているときです。これらは、親御さんも、子供にかなりのストレスが掛かることを理解して、練習指導にあたらなくてはなりません。
これは、先生がしっかり練習の理由や仕方を教えることが先ず大事だと思います。そして、先生でさえ辛くて面倒くさいんだ!ということを伝えることも私は大事だと思います。「でも、先生も嫌々やって上達したならしゃーないか」と思うようになれば良いなと思います(^^)
あとは、時間と目標を決めて練習をすると良いでしょう。基礎練習は30分。でも音程はここまで直す!という感じです。基礎も集中力が無く惰性で練習しても良い結果には結びつきません。
他には、「無」の境地を教えることですかね。ゆっくりテンポで練習するときは、本当は!アーティキュレーションや速く弾くときのことを考えながら練習せねばならないのですが、そんなことが最初から出来るこどもの生徒は稀でしょう。なので、「やらないよりはマシ!」という方法を取るならば、「無」です。感情や心を無にして、機械のように練習させる術を学ばせることが大事なのかもしれません。歯を磨くような感覚ですかね。心を無にする方法としては、お寺とかに行けば良いのかな!?笑
逆に喧嘩がないと、練習した気にならない親子もいる
「喧嘩あっての練習」という親子さんもいるみたいです。いわゆるS(サディズム)の親子さんです。
このタイプの親子は情熱型で、練習中に熱がこもるあまり、親子で怒鳴り合って泣き合って、それがストレス発散になり、気持ちよくなるというケースです。これを自慢のように話す親御さんもいらっしゃいます。
私は、家族に怒られながらの練習は、少なくとも私は嫌です。但し、先生なら怒られても良いなと思っていました。
私は、愛嬌&愛想の良いタイプの生徒でしたので、先生に怒られることが滅多になかったのですが、その分、先生に怒られると嬉しくて仕方がなかったです。ちゃんと心配されているんだな、期待されているんだなと思うからです。「3日も立ったのに暗譜が出来てない!」と譜面を床に叩きつけられたときは、嬉しかったな〜(←変人???笑)
解決方法:理想の親子練習は議論すること、質問を作ること
それでは、私が考える理想の解決方法です。あくまで理想論ですよ?通用しないケースは多々ありますので、一意見として読んでもらえればと思います(^^)
練習中喧嘩を避ける1番の解決方法は「議論してわからないことは、レッスンで行う」ということです。
感情を入れずに、レッスンまでに先生の指導を100%達成しなくちゃ!と焦らないこと!
先生は、無理難題の課題をふっかけてきている場合があります。敢えて壁にぶつからせたい時もあるのです。しかし、親御さんは、レッスン日が迫り課題が出来ないと焦ってきてと、やはりストレスも溜まり、怒りたくなってきます。それをぶつけるのは、子供でも楽器でも楽譜でもないのです。ぶつけるのはレッスン(先生)なのです。ということで、レッスンのために質問を沢山つくることも実は大事な練習なのです。出来ないことは、仕方ない、練習不足なのかそれとも説明不足なのか、それともその経験が必要な上で、課題を出されているのか、先生に確認する必要があります。
また、練習中、子供に「言い訳」ではなく「自分の意見」を言わせてあげることも大事です。そして、先生という立場の師匠がいる。ということを上手く利用すれば、ある程度の喧嘩は避けられる気がします。
例えば、親御さんが「レッスンを見学していて私はわかっているから言うことを聞け!」という立場でこどもに練習指導を行うのではなく、先生という立場をちゃんと上に置いておいて、親御さんも子供目線で同立場になり、弾けない同士という立場になり、同級生に教える様なコーチングを行えばよいのでは少しは喧嘩を避けられるような気がします。
簡単に言えば、練習中に指導ではなく、「先生は、こう言っていたけど難しいの?どうやれば上手くなるんだろうね?」とか「先生も言ってるし、とりあえずここの練習やってみよっか」とか「ここの箇所は、どうやって弾けば思う?レッスンで先生に聞いてみよっか」みたいな意見交換をするような議論が出来ると違ってくるんちゃうかな!?と思います。(^^)簡単には行かないと思いますが、これも親御さんの練習が必要だと思います。
まとめ・上達するのに練習中の親御喧嘩は必須?それともやめるべき?
理想論ばかり語ってきて、突然意見を最後にひっくり返すようですが、結局上達を目指す練習中の親子喧嘩は、子供の成長過程でどうしても避けては通れない道だと私は考えます。それを避けてやめてしまうと、成長が鈍化するかもしれません。なので、私の意見は「必須」です。(なので、練習中に喧嘩している親御さん、ご安心ください!笑)喧嘩が起こるのは真面目に真剣にやっているからだと思います。真剣にレッスンすると恐いと言われることがありますが、その延長線上に喧嘩があるのは仕方のないことだと思います。喧嘩が行われる理由は、相手を理解しようとするから起こるんだと思います。喧嘩の反対は無視・無関心です。これが一番の悪だと私は考えます。なので、適度な喧嘩は決して悪いことでは無いと思います。
ただ!一方でバランスを見つけていくことも大事です。喧嘩ばかりしていると、楽器や音楽に対して負のイメージが付きやすいです。それだけは、避けなくてはなりません。だから、褒めるんです!ご褒美をあげるんです!なので、指導時には、必ず目標とご褒美(シールでもなんでも良いんです)をご準備の上練習してください!
それでは、是非快適な練習ライフを!
過去のレッスンで賛否わかれる意見シリーズ
- レッスンで賛否わかれる意見シリーズ①「表現の指導は、自然に任せる?介入すべき?」
- レッスンで賛否わかれる意見シリーズ②「理想のレッスンは優しい指導?厳しい指導?」
- レッスンで賛否わかれる意見シリーズ③「子供の理想の練習は、強制か?自主か?」
- レッスンで賛否わかれる意見シリーズ④「時代背景を考える演奏指導はコンクールで正解か?否か?」
- レッスンで賛否わかれる意見シリーズ⑤「理想の練習は、ゆっくりなテンポ?速いテンポ?」
- レッスンで賛否わかれる意見シリーズ⑥「理想の運指(フィンガリング)は表現豊かな運指か?より簡単な運指か?」
- レッスンで賛否わかれる意見シリーズ⑦「ヴァイオリンをはじめるベストな時期は、大人なの?子供なの?」
- レッスンで賛否わかれる意見シリーズ⑧「ヴァイオリン習い始めに使用すべき読譜方法は、ドレミ音名?指番号?」
- レッスンで賛否分かれる意見シリーズ⑨「新曲を練習開始時に、プロ音源を参考にすべき?それとも楽譜に忠実にすべき?」
- レッスンで賛否分かれる意見シリーズ➉「ヴァイオリン以外の習い事はするべき?1つに絞るべき?」
- レッスンで賛否分かれる意見シリーズ⑪「選曲は、得意そうな曲を選ぶべき?苦手な曲を選ぶべき?」
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- レッスンで賛否分かれる意見シリーズ⑭「練習する曲の進度は、速くするべき?それともゆっくりやるべき?」
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- レッスンで賛否分かれる意見シリーズ⑱「楽器の練習をしていないことをレッスンで先生に白状することは、正解?不正解?」