レッスンで賛否わかれる意見シリーズ⑦「ヴァイオリンをはじめるベストな時期は、大人なの?子供なの?」

筆者大人の生徒とのレッスン風景

私には、自分の教室をはじめ、池袋コミカレ恵比寿よみかるにて、学生さん達だけではなく、素晴らしい自慢の大人の生徒さんたちもたっくさんいます!(^^)/

しかし、大人の生徒さんをレッスンしていて、よく耳にするのが「私は大人になってからはじめたから、、」というお言葉をよく聞きます。私は「そんなことない!大人は子供と違ってレッスンの受け方や考え方が違うだけ!」と反論いたします!

20代〜70代までの大人の生徒さん達と10年以上レッスンをしてきた経験、また大人からはじめる方達の為に制作したヴァイオリン教本「国登ヴァイオリン教本」や「ヴァイオリン自由自在」の著者として、「ヴァイオリンをはじめるのは果たして、本当に大人より子供のほうが有利なのか」筆を走らせてみたいと思います。

今から私が書くことは、勿論全員の大人に当てはまるわけではありません。ですが、多くの大人の生徒さんに感じたことですので、1つの参考になればと思います!

子供も大人も才能や上達率は変わらない

正直に言います。これは自信を持って言えるのですが、子供でも大人でも、才能有る生徒は同じくらいいます。また、上達に関しても、子供でも大人でも、ものすごい速い生徒もいますし、そうでない生徒もいます。大人で速い上達をされる方は、普通の上達の子供より圧倒的に速い上達です。

この時点で、「私は大人になってからはじめたから、、」というお言葉は、もう言い訳にしか聞こえないことを証明したと思います。なので、全国の先生は、そう言う生徒に躊躇なく即反論すべきだと思います!(厳しいかな?!)

しかしながら、きっと大人の生徒さん達の中には「え?子供とは、記憶力だってちがうじゃん。身体能力だって子供とは違う」と反論されたい方々がいらっしゃると思います。ですがその方達に、「貴方は間違っている!」とまで断言します。大人だろうが子供だろうが、人によって得手不得手があるんです。

もちろん私達大人は、自分の子供の頃と比べると落ちている能力があるかもしれません。ですが、私は子供の頃から暗記が不得意でしたし、そんな私より更に暗記が不得意な子供だっていると思います。本当に、人それぞれであり、比べられないと思います。

また、天才と呼べる生徒は、大人の生徒さんにも相当数います。しかし、残念なことに大人は子供より「出来て当然な雰囲気」が有り、子供より天才という評価をされることが少ないと思います。子供は、出来ると天才と神童と思われますが、大人はそうはいきません。凄いのに・・。少し不公平ですよね。なので、大人の生徒さん達は、もっと評価され、褒められて良いかと思います。本当に。(^^)/

指導していて感じる子供と大人の大きな違い

しかしながら、ヴァイオリンをはじめる子供と大人に、大きな違いがあります。

それは、大人は「間違い&雑音」を恐がり、子供は「間違い&雑音」を恐がらないことです。

特に「雑音」を大人は極度に恐がり嫌がる傾向があります。そりゃ雑音は聴かせたくないし、聴きたくないですよね。理解は出来ます。しかし、力強いきれいな音を出す過程でどうしても雑音を出す行為は必要なことなのです。

ヴァイオリンの雑音は、弓を強く圧力をかけること、弓をスピーディに使えないと、雑音が発生します。しかし雑音を避けていると、結果、貧弱な音が出来上がり、音を強くすることが出来なくなる。成長が遅れる。フォルテの音が永遠に出せない(ということはピアノの音も出せない)ということが多くなります。身体でどのくらい圧力をかければ雑音が鳴るのか理解しなくてはならないのです。

そして、間違い。ミスを恐れ、恥ずかしがる。指摘されることをトラウマとする大人の方が、沢山いらっしゃいます。

パソコンや電子機器の扱いが若い人のほうが優れていることが多い。と言われるのは、ミスを恐れないからだと思いますが、私が言いたいのは、それに似ていると思います。

大人の生徒に多いのが、間違えると頻繁に「毎回ミスの度に照れ笑いをする」「突然自分で弾くのをやめてしまう」「頻繁に弾き直す」などのアクションがあります。これらが弊害となり、先生によっては、励ましたり、お話する時間が、先生の気遣いにより増えることが多いです。そうなると、大きい壁ができてしまい、先生生徒の両サイドのモチベーションが下がり、曲の進度、レッスンの進行が遅くなることがあります。

間違えを恐れずにガンガン弾くことがレッスンでは大事なのです。そのほうが評価が上なのです。子供は間違えを恐れなさすぎですが。。笑

大人から楽器を始めるメリット

子供と比べて大人から、楽器をはじめるメリットは、実は沢山あります。

例えば、理解力、経済力、読譜力、モチベーションの高さ、目標の充実、練習時間コントロール、指摘する親御さんがいない、先生も選べる。他に楽器をやっている経験もある人がいる。人生経験豊か。積極的な挑戦が可能。などなど

先ずは、人生経験が豊かですし、理解力、言語の能力が子供より高いことは、レッスンをする上で子供よりかなり有利だと思います。

次に、経済力ですが、楽器をされる方で仕事をしっかりされている方は、音楽に費やす余力や自由度が高い気がします。たまに、私(プロ)が持っている楽器より高価な楽器を持っている方が結構います。

そして、なによりモチベーションの高さ。やる気が無いのに、わざわざ自分のお金を使ってレッスンを受けにくる生徒は稀です。なので大人の生徒さんは、最初からモチベーションが高いので、先生たちも気合触発されが入ります。目標も結構明確なことも有利。練習時間も、特に仕事が忙しいなど無ければ、休みの日の練習時間のコントロールがある程度しやすいです。そして、なにより練習しなかったりしても、投資しているのが自分なので、家族の方に指摘されることも怒られることもありません。奥さんがいるかたはわかりませんが・・。笑

中でも、大人が楽器をはじめる注目すべきメリットは、「マニアック力!」。私の造語ですが(笑)、マニアックな音楽愛好家って沢山います。私も困ってしまうくらい、長い音楽の深いお話が大好きな方達が多いのですが、ヴァイオリンを練習するマニアもいます。ヴァイオリンに超ハマってしまうマニアの方って結構多いと思います。マニアって趣味を超えた、なにか??というイメージが私はしますが、是非、多くの人にヴァイオリンを弾くマニアになって練習をしてもらいたいです(^^)

ヴァイオリンを再開する生徒は、また別人種。

楽器をはじめる生徒さんという意味では、少し話がズレるかもしれませんが、レッスン申し込みで、大人にあって子供にないのが「ヴァイオリンの再開」です。

これは、子供からはじめる生徒でも、大人からはじめる生徒でもない、別世界の生徒でして、各々色々な理由で楽器を再開されます。そして多くの方が「子供の頃のほうが上手かった。子供の時より時間がないから成長が遅い」と思われている方が多いのです。ですが、大多数の再開した生徒さん達は、確実に成長のスピードは大人の再開時の方が速く、モチベーションも圧倒的に上です。なので、直ぐに子供の頃よりスグに上手くなる方が多いと思います。しかし問題は、そのことに気づかないことが多く、なぜか子供の頃の方が弾けたと勘違いしている人が多いのが残念。上達を手伝っている身としては寂しいものがあります。悲

面白いのが、もう1つの別人種として、ヴァイオリンを教えた経験があるお母様達。

子供の教育が終わり、もしくは子供に楽器を教えていて自分もやりたくなってはじめた親御さん達が、子供に「なんでこんな簡単なことが出来ないのか?」と言ったり思っていたりしたことが、ブーメランのように返ってくる経験をされます。それで、子供には負けない!というプライドからか、かなり必死に練習されるので、ある程度までは凄い速度で上手くなっていくのですが、それこそ身体能力の違いで、子供にやらせていたことを自分でも試そうとする結果、怪我してしまう率が高いのです。お母様たち、楽器に挑戦される時は、本当に気をつけましょう!

まとめ

楽器を挑戦される上で、年齢が上がれば、身体的にも、精神的にも、環境的にも状況が変わってくるのは、当然なことです。ですが、私はレッスンをする上で、子供も大人も公平だと思っております。大人でも、嘘みたいに上手くなっていく天才的な才能をもった生徒も多くいます。

本当に「年齢は心の持ちよう」だと思います。

是非、これを読んでいる大人のヴァイオリン学習者さん達には、ヴァイオリンを練習して、学生の生徒たちに「嘘でしょ!?若っ!天才!」と言われるくらい私が言ったことを証明&アピールしてもらいたいところです!よろしくおねがいします!

最後に、私には自分のよりも歳上の自慢の生徒さん達が沢山います。
しかし、私は先生という立場ですが、年上の生徒さん達を「誇り」というよりは「憧れ」に思います。

私の歳上の生徒さん達は、本当に凄い努力を続けられ、とても上達され、私が言う無理難題にも挑戦されて、「本当にちゃんと仕事してるのか!?笑」と思うほど立派に成長されています。

そんな生徒さんたちをしっかり私も見習って、これからもずっと先まで、私も年齢を言い訳にせず、ひたすら上達して行ければと思います!(完)

過去のレッスンで賛否わかれる意見シリーズ

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