レッスンで賛否わかれる意見シリーズ⑤「理想の練習は、ゆっくりなテンポ?速いテンポ?」

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第5回目の更新となります!

今回は、理想の練習テンポについてお話をしたいと思います!

ヴァイオリン学習者がゆっくりなテンポでの練習を拒む原因

まず、古今東西「ゆっくりなテンポ」での楽器練習は、ヴァイオリンであろうがピアノであろうがフルートであろうが効果が絶大だと言われております。
ゆっくりなテンポでの練習は、欠かせられない大事な楽器の練習メニューです。

というのも、昔、名ヴァイオリニスト、I.パールマンにお会いしたとき、パールマンが私と一緒にいた子供の生徒たちに会うなり「DO YOU PRACTICE SLOWLY?(ちゃんとゆっくりなテンポで練習してるかい?)」と挨拶代わりに言っていた程です。

しかしながら、年齢の低い生徒さんは、ゆっくりなテンポで練習をさせられることを嫌がる傾向があります。

これには原因が2つありまして、ひとつは子どもたちの脈拍数が関係していること。
そしてもう一つは、ゆっくりなテンポで練習する理由を理解していないことがあげられます。

まず、脈拍数の話ですが、脈拍数が高い若い人ほど、テンポ感が速くゆっくりなテンポで練習することが苦痛なことが多いのです。
そして、年齢が若いほど脈拍数は速くなる傾向があり、子どもたちがゆっくりなテンポで練習することは、よりきついみたいです。
逆に年齢が高くなればなるほど、ゆっくりなテンポが快適になってきて(そしてゆっくりな曲が好きをより好むようになり)、速いテンポが不快になります。興奮しているときは別かもしれませんが、、

数年前に、Rハケン先生の「スレンナタリア」という曲を練習していたとき、作曲者本人であるRハケン先生のテンポがYoutubeで以前から公開していたテンポより遅かったので、私が「テンポが遅いね」と指摘するとRハケン先生は「あらら、年取ったかな・・」とおっしゃっていました。
つまり、テンポ感覚って、年齢によって変わってくるようです。

その人がどういうテンポで演奏するべきか否かは、ここでは議論しません。
ですが、一緒に練習する親御さんは、先ず年齢が若い生徒であればあるほど、ゆっくりなテンポで練習することが苦痛で不快なことをまず理解する必要があります。

次に、ゆっくりなテンポでの練習理由なのですが、生徒達は理解したいないことが多いです。

何の薬を飲むかわからないので、飲め!と言われても困るのと一緒で、ゆっくりな練習がどういう効果を生むのか、理由を知らないで、「ただ、ゆっくり練習しろ!」と言われても、苦痛な練習をやりたいはずがありません。

そこで、ゆっくり練習のやる理由説明ですが、私は子どもたちに、ゆっくりな練習は、早口言葉と同じだと説明します。

早口言葉も、皆練習するときはゆっくり試し、しかも単語を分けて練習しきますよね。
「なぁまぁむぅぎぃ・なぁまぁごぉめぇ・・」のように。それでどんどん速くしていくわけだよね?、、と説明していきます。

速いテンポで練習する曲

しかし、実はこのゆっくりなテンポでの練習が、すべての曲において、絶対効果的なわけではありません。

例えば、協奏曲の2楽章のような、緩やかなテンポの曲は、逆にテンポ速く練習したほうが効果的な場合もあります。
というのも、(テンポが緩やかな曲をゆっくりなテンポで練習するのも意味が無いわけではありませんが)もともとゆっくりなテンポの曲なので、速く練習したほうが「曲の全体把握」がしやすくなりますし、速く練習することでミスが多くなることもあり、ミスをする場所が見つけやすくなり練習が捗ることがあるからです。

速いテンポでの練習も実は必要

巷の先生たちや親御さんたちは、ゆっくりなテンポで練習しなさい!と口を揃えて言います。
素晴らしいことだと思いますし、私も言います。

ですが、実は、テンポを速く練習しなくちゃいけない必要性もあるのです。
というのも、ゆっくりなテンポでの練習だけでは、ある程度の上達しか見込めないからです。

ゆっくりなテンポから、段々とテンポを上げて速くしていけば良いとよく言われます。
ですが、意外とこれが出来ない。

しかも、完璧に弾けるまで、納得がいかないと、いつまでたってもそのゆっくりなテンポで練習し続け、演奏会の日までに理想のテンポまで間に合わないことが多々あります。

この方法、ましてや時間の無い大人の生徒たちや、こどもたちに指示する親御さんもかなりの根気が必要となってきます。

そこで

「人には慣れという能力がある」という考え方を、この速いテンポ練習法に取り入れるとどうでしょうか。

まず脳に「実際のテンポはこのテンポだから!」と予め司令を出しておくことで、目標が設定されどうするか無意識レベルで考え始めるようになります。そうするとその速いテンポに慣れようと試行錯誤して慣れるのです。

つまり、「慣れる」為に、速いテンポでの練習は、結構効果的なのです!!

速いテンポとゆっくりなテンポで、実は運指や弓順が変わってくる!?

ヴァイオリンの場合、同じフレーズでも速いテンポで弾く場合と、ゆっくりなテンポで弾く場合のフィンガリング(運指)やボウイング(弓順)が変わる場合があります。

どういうことか。

ヴァイオリンの場合、緩やかなテンポと速いテンポの曲では、奏法がまったく違う場合が多々あるのです。

ゆっくりなら、普通に弦を弾くデタッシェ、少し速めなら、スピッカート、めちゃ速くなると、ソーティエ。などになります。
※詳しくは「ヴァイオリン自由自在」参照

適したテンポやフレーズに、適した運指や弓順を計画することで、より音楽的になったり、技術的に弾けるようになるのです。

速いテンポで演奏する曲を、ゆっくり練習することで奏法が変わり効率が悪くなり、悪循環になることもよくあります。

なので、臨機応変にテンポを落としすぎずに練習することも考えなくてはなりません。
どんなテンポで練習するか考えて、練習しなくちゃいけないのです。

まとめ

ということで、「理想の練習は、ゆっくりなテンポ?速いテンポ?」の答えは、どちらのテンポでも練習することが大事だと私は思います。

どちらか一方に偏りすぎてもいけません。速いテンポだけの練習もマズイですし、ゆっくりなテンポだけの練習も良くない。

また、私個人のアドバイスですが、練習比率だと7:3(ゆっくり:速い)くらいで、練習されることが大事かなと思います。

例えば、100分練習するとしたら、15分は、ばーっと速いテンポで最初に弾き、70分色々と試行錯誤しながらゆっくりなテンポで練習し、最後の15分でばーっと速いテンポで通す。その速さで弾けなければ、更に練習の繰り返しが効率的かな!?と思います。

是非皆さんも色々なテンポでの練習試してみてください!

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